あなたの周りにいるADHDに、仕事の質問をしない人はいませんか?ADHD当事者である私、ぴーちゃんは何度も「なんで聞かなかったの?」という言葉を言われた経験があります。実は、「質問しない」のではなく「質問できない」ケースがほとんどなのです。それには過去の経験や特性が深く絡んでいるかもしれません。今回は質問にまつわるADHD特有の原因や対策面の対策を解説していきます。
質問できない3つの理由
ADHDが質問できない理由には大きくわけて3つあると考えています。
まず1つ目は、「質問のタイミングがわからない」です。
聞きたい相手が作業をしている場合は特にむずかしく、相手から「質問はある?」など聞かれないとどうしてもタイミングがつかめないことがあります。
また人の表情を読み取ることが苦手な特性を持っていると「今は怒っているみたいだからやめよう…」というように勝手に勘違いし、躊躇してしまう場合もあります。
2つ目は「質問を忘れてしまう」です。
これはADHDの忘れやすい特性がダイレクトに現れています。
先ほどあげた「質問のタイミングがわからない」ともあいまって、そもそも何を聞くべきかを忘れてしまうことが多くあります。
3つ目は、「質問することに対して恐怖感を感じている」です。
質問することで怒られてしまったという経験を持つADHDも少なくありません。
以前記事でも書きましたが、ADHDや発達障害を持つ人は怒られてきた経験が定型発達の人より多い傾向にあるので、他者からの「怒り」という感情に人一倍敏感です。
「聞きたいけど怒られるかもしれない」
「こんなこと自分で考えないと…」
と質問をしないくせがついてしまい、さらにミスが多くなるという悪循環にハマってしまう人も多いのです。
私の場合も「聞いたら怒られる」という固定概念を持っていて、些細なことすら質問できませんでした。
同じような経験をしてきた人にとっては、質問することは実はかなり勇気がいる行為なのです。
not当事者も知っておきたい注意点
では、これらの対策はどうしたらよいでしょうか?
先ほどあげたすべてに言えることが、質問しにくい環境が問題に繋がっているということです。
わからないことや勘違いを確認できないまま作業が進んでしまうとミスを起こしやすくなり、仕事の効率も大幅に下がります。
なので、まずは誰でも質問しやすい環境を整えましょう。
質問のタイミングがわからない場合は、会議や依頼の際に必ず質問タイムを設けるようにすると聞き逃しがないです。
こまめに「質問ある?」などの声かけもオススメです。
また、「〇〇しているとき以外はいつでも声をかけていい」「離席しているときはメモに書いて置いておく」などタイミングやルールを決めておくと当事者にとって非常にわかりやすくなります。
口頭ではどうしても伝えづらいという場合は、社内チャットやメモ書きなど文章で伝えてることもオススメです。
聞きたいことを忘れてしまう場合は、その場ですぐに聞く癖をつけましょう。
または、付箋やメモに書き留めておいて、あとで聞くことも有効的です。
今回の記事で当事者の私が伝えたいことは、「どんな質問でも聞くことは悪いことではない」ということを当事者に伝え、オープンでいてほしいということです。
質問しても大丈夫と頭ではわかっていても、いつのまにか自分の中でブレーキをかけてしまう当事者もいます。
また、質問をしやすい空気は発達当事者がいるかどうかにかかわらず、チームの風通しをよくするものです。
誰もが働きやすい環境がもっと増えることを、私は願っています。