難病×働く×社長としてスタート。ハンデがあっても働ける場所をつくる

1年半ほど前に突然、高熱と皮疹が続き、指定難病の成人スティル病(成人スチル病)と診断されました。複数の病院を巡ってやっと病名が確定し、治療できることになりましたが、いざ治療を始めてみると治療に長い期間がかかることや薬の副作用などのリスクがあるということが分かりました。

はじめに

こんにちは、もーこと申します。

都内でWeb制作会社を経営しております。

1年半ほど前に突然、高熱と皮疹が続き、指定難病の成人スティル病(成人スチル病)と診断されました。

複数の病院を巡ってやっと病名が確定し、治療できることになりましたが、いざ治療を始めてみると治療に長い期間がかかることや薬の副作用などのリスクがあるということが分かりました。

立ち止まって考える時間をくれた入院生活

入院中は病院の外に出ることができず、病室という限られた空間の中、ひとりで過ごしていました。コロナ禍だったこともあり、面会も家族のみで時間は10分程度と制限が厳しく、話せる人はほとんどいない状態でした。

そんな中、治療がはじまり、症状が落ち着いてくると、だんだんと今後のことも考えられるようになりました。先のことを考える余裕があるくらい体調が良くなってきたとも言えますが、これからへの不安も大きくなっていき、日に日に自分と向き合う時間も長くなっていきました。

最初はネットで自分の病気を調べたり、同じ病気の方の体験を見たり、SNSで難病の方と繋がったりして情報交換をしていました。「まずは自分の病気を知ることが一番」と考えたのです。

同じ病気でも人によって症状が違うこともあり、他の方の治療方法がすべて自分に当てはまるわけではありませんが、同じように病気の治療をしている方の体験は、心の持ち様などメンタル面でとても支えになりました。

病気のことを調べて、「今後の生活や仕事についてどうしていくのがよいだろう」と考えましたが、これは病気とつき合いながらどのように生きていくかを考えることでもありました。

この時、会社の社長という立場を一度取り払って、「自分自身として何を大切にしていきたいのか、今後どうありたいか」に向き合っていきました。

1か月ほどの入院期間の後半はノートにひたすら想いや考えを書き出していきました。

キャリアゴールと仕事についての個人的なノート
入院中に使っていたノート

その結果、大事にしていきたいことが2つ出てきました。

  • 自分をもっと大切にしていきたい
  • 働くことを続けていきたい

一つ目は、無理をせずに疲れたら体を休めること、身体第一で過ごすこと。気持ちの面でも自分の気持ちを大切に、やりたいことを優先していきたい、ということでした。

二つ目の「働くことを続けていきたい」というのは、会社があるから、社長だからということではなく、私自身として考えた時に「この先も働き続けたい」と思ったのです。

大事にしたいことが出てきたことで、これから考えていくことも見えてきました。

  • 今までとは考え方を変え、自分を大切にすることを第一に考える
  • 働き方を見つめ直して、無理せずに働き続けられる方法を考える

病気がきっかけではありましたが、今まで日々に追われて見えなくなっていたことに目を向けることができ、自分自身とじっくり向き合うことができたのでした。

一度立ち止まって考える時間が取れたことは、今後のことを考える上でとても重要なものになりました。

リスクを抱えながら働くということ

「なぜ働きたいのか」をあらためて考えた時に、このような想いがありました。

  • 人の役に立ちたい
  • 自立して生活をしたい
  • 自分の能力を活かしたい

私にとって「人と繋がって何かをしていきたい、自分のできることで喜んでもらえたら嬉しい」ということが働くことの源であり、原動力になっていました。

ただ、「働き続けたい」と思っても実際にどうしていくかは少し難しい問題でした。

なぜかというとリスクがあるからです。

  • 何かのきっかけによる症状再発や再燃のリスク
  • 治療薬による副作用にかかりやすいリスク

その中でも成人スティル病は再燃(無くなっていた症状が再度あらわれること)が多いといわれており、寛解を目指して治療を行う途中でまた再燃してしまうこともあります。

また、治療に用いる薬も副作用が出やすいものが使われるため、副作用による症状とも付き合っていく必要がありました。

こうした事情から、「今までと同じ働き方をしていては身体への負担が高いから、働き方、そして生活のリズムも根本的に見つめ直そう」と考えたのでした。

体調第一で無理はしない、病気とつき合いながら働く

薬を手に持ち、水の入ったグラスを持つ女性

手探りながらも、「これから私自身が働き続けられる状態を作っていければ、難病を持ちながら働くひとつの例にもなるのではないか」と思いました。

また、入院中は社員や会社チームのメンバーが仕事を回してくれており、社長不在ながらも会社を支えてくれていました。

もちろん私は出られませんでしたが、忘年会の集合写真を送ってくれた時は嬉しかったです。「皆で仕事していてよかった」と思える出来事でした。

そんな会社のメンバーにも、治療しながら働き続ける姿を見せていきたいという気持ちもありました。

また、経営者の方を含む、働いているすべての方に向けてこれから試行錯誤するであろうことも発信していき、病気のことも含めて知ってもらいたい、とも思いました。

そして考えたのが「ハンデがあっても働ける場所をつくっていきたい」ということでした。

私自身が働き続けられれば、難病の治療をしながら働けるという証明にもなるはず。まずは自分の会社で試していこうという想いでした。

自分の体験を通して、働き続けられるために何が必要かを見つけていく。

こうして「難病×働く×社長」としてスタートしたのでした。

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ABOUT ME
1982年生まれ。Webデザイン会社を経営。2021年、手足の発疹と39度の高熱が数週間続き、指定難病である成人スティル病と診断される。その後ステロイド服用による治療をしながら仕事復帰。 病気になったことで、ハンデがあっても働くことの選択肢を増やしたい。病気とつき合いながらも自由な働き方を選んでいきたいと強く想い活動を開始する。