ADHDな私の取扱説明書

「トリセツ」と書かれた取扱説明書を読む青髪のキャラクターのイラスト。

こんにちは、とくらです。

会社などの組織に所属すると、仕事を一緒にする上で周囲の人に自分自身のことを理解してもらっておくことが重要な場面も多くなります。

そんなときにパッと取り出せる取扱説明書があれば、周囲に説明しやすくなりそうです。今回は「もし私が自身の取扱説明書を作成するなら…」ということを考えてみたいと思います。

はじめに

とくらと働く上で、この取扱説明書をよくお読みいただき、なるべく正しくお付き合いください。

ADHDの取扱説明書として、10の注意点がリストアップされた画像。左には1から5、右には6から10までの注意点が書かれている。

①マルチタスクの管理がとても苦手です

これは自分でも努力していますが、もしかしたら周囲の方にリマインドをお願いすることがあるかもしれません。 心の片隅に「そんなことがあったな」と覚えておいていただけたら助かります。

②できるだけ明確な指示を出して欲しい

私に指示を出す際には、「なるべく具体的に何をして欲しいか」を伝えてもらうことで作業がスムーズに進みます。「どんな用途のものなのか?」「どんな場面で使用するのか?」「形式は決まっているのか?」「内容は決まっているのか/いないのか?」などなど、デザインであればこんなことを最低限伝えてくれるとスムーズです。

③口頭指示だと混乱することがあります

なるべくテキストベースで指示をいただけるとありがたいです。 また、口頭指示の場合には、できるだけ簡潔に内容を伝えてくださると助かります。

④ひとつのミスが命取りになる業務が非常に苦手です

ケアレスミスが多いため、複数人の目で確認が入る仕事の方が向いています。一人のミスが致命的になる業務は本当に向いていないのでなるべく振らないでいただけるとありがたいです。

⑤感情的に怒らないでください

私は「怒られている…」と感じると、その感情以外の情報が全く入ってこなくなってしまうため、何時間怒鳴られても改善する可能性はほとんどありません。

怒鳴る人、中傷する人は仕事のストレスが溜まっていたり、思い通りに進まなくて困ってるのかもしれませんが、感情的な怒りは逆効果です。 改善を促したいのであれば、簡潔に、落ち着いて、誤りがあった点のみを抽出して指摘して欲しいと思います。

⑥会社のルールを明文化して欲しいです

明文化されていない、言葉にされていないルールを察することが非常に苦手です。「空気を読んでなんとなくそのように動く」ということが難しいため、なるべくルールは明文化してくれると助かります。

⑦技術の向上がわかりやすい仕事が好きです

技術の向上が分かりやすい・学び続ける仕事が好きです。現在デザインの仕事をしている中で、過去の自分と比較して技術力が向上していると感じます。「良くなったなー」と感じたら時々褒めてくれると嬉しいです。

⑧人と人の間に挟まれている状態に強いストレスを感じます

「人と人との間に入って情報を上手く整理して伝達して」という状態が非常に苦手です。管理職には致命的に向いていないと思います。

⑨頻繁に話しかけられると再び集中するまでに非常に時間がかかることがあります

過集中の状態になると、異様な集中力を発揮しますが、頻繁に人に話しかけられると前に何をやっていたのか分からなくなったり、再び適度な集中状態に復帰するのにとても時間がかかることがあります。(今は声をかけて欲しくないときは、バーチャルオフィスでは「集中室」というスペースに入っています。)

⑩かなり空気の読めない人間です

コミュニケーション上の非言語部分を気にしすぎてしまう私ですが、どちらかと言えば空気の読めない人間です。

人の表情やしぐさに振り回されて誤った独自の解釈をすることも多く、その場にそぐわない言動をしてしまうことが多くあります。「気が利かない」と思われることも多いかもしれませんが、シンプルに全く気が付いていないだけなので、ぜひ一言声をかけていただけると助かります。

「トリセツ」と書かれた取扱説明書を読む青髪のキャラクターのイラスト。

最後に

10項目ご紹介しましたが、結局のところ、「いろいろな人がいて、それぞれが違った困りごとを抱えているだろう、相手は自分とは違う人間なのだから。」と考えてくれると、助かります。

「相手も自分と同じ考えだ」と思ってしまうと、ここまでの「取扱説明書」もただのわがままで終わってしまうかもしれません。100人の人が居れば、100通りの個性があるものです。

発達障害という、特性が強めの人々だからこそ必要である、というよりも、誰しも少しずつ「こうして欲しい」があるものかもしれません。

この取扱説明書を読んでくださったあなたも、ご自身の取扱説明書を考えてみてはいかがでしょうか?

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ABOUT ME
1991年生まれ。下町暮らしのフリーライター・イラストレーター。出産後ADHDの診断を受ける。様々な立場の生きづらさを考えていきたい人。