16歳の時に飛び降り自殺を図り頸髄を損傷。以後車いすに。最近始めたダブルワーク。フリーランス時代の経験を活かせる部分があると同時に、チームで働く環境になったからこその気づきや学びが多いことも実感している。特に協調性に関して。
ダブルワークを始めた
ダブルワークを初めて2ヶ月が経とうとしている。
長らくフリーランスとして働いてきたが、ひょんなことから会社役員をする機会を得て、平日日中は会社で事務作業をし、夜や休日など空いている時間に、今まで通りの書き物やちょっとした下請けの在宅ワークをするようになった。
しばらくぶりの会社員だが、フリーランスのとき、営業から経理、備品管理まですべての雑務を一人でこなさなければならなかったことが役に立ち、また、会社の業務内容をある程度俯瞰して捉えることができたため、この2ヶ月で、パソコン一台で完結するような事務作業はおおよそ何でもこなせる状態になった。
ただ、何よりも役に立っているスキルは、得意不得意、やる気のある無しにかかわらず、「とにかくやる」が自然にできることだ。どの業務に対しても当事者意識を持つことができるのは大きな強みなのだと気がついた。
一方で、わかる・やれると自身を過信してしまうことで、業務をあれもこれもと抱え込んでしまいやすく、その結果、他の人の仕事を奪ってしまったり、スキルアップの機会を阻害してしまったり、優先順位を間違えて全体の仕事の遅れにつながってしまったり。まだまだ組織としての働き方に慣れていない状況も自覚している。
組織の一員として働きはじめて学んだこと
また、組織の一員として働きはじめてからの大きな気付きは、個人の能力が高いとか、どれだけ成果を上げるかよりも(もちろん能力が高くて成果を出せることに越したことはないとはいえ)、いかに協調できるかどうかが大切だということだ。
設定した目標に向かってやらねばならないことを話し合いながら明確にしていき、社員一人ひとりが会社に貢献できている実感が持て、苦手やミスをカバーし合い、業務をこなす達成感をみんなで感じることができて、組織で仕事をする意味があるように思う。
作業効率を優先して自分の仕事に没頭するのでなく、他の人がどんな仕事をしているのか、どこまで進捗していてどこに困っているのか、などに気を配り、把握し合うこと。
これが、いつでも相談し合える信頼関係を築くことにつながり、業務遂行のモチベーションを保ち続けられ、早く仕事が片付いていくことがわかった。
まとめ
一人で黙々と仕事をすることに慣れている私にとっては何もかもが新鮮で、ときにやらねばならない業務を思うようにこなせずにストレスを感じることもあるが、チームとして頼り頼られる関係を深めていくことに喜びを感じている。
日々の精神的な成長にちょっと満足しているが、はたまた身体への負荷は大きい。
車いすの乗車時間が極端に長くなり、慢性的にある腰痛、肩こりが悪化している。週末が近づくと車いすにじっと座っていられないほどで、そもそも障害によって筋肉量が少なく代謝も悪いことから、体力がなく、疲れが取れにくい。
業務量や身体のメンテナンスをきちんと考えないと、継続的に働いていくのは困難なのではないかと不安を感じる。経済的安定やリスク分散のために始めたダブルワークだが、そんなに簡単に具合良くいくものではないということを痛感している。