2024年1月、あるお店の一角を借りて小さな個展を開かせてもらいました。
障害を持っている人の中には、普段思うように社会と関われないと感じている人は少なくないと思います。
今回は私が趣味の絵を通して感じた、人の役に立つこととは何なのかをお話しさせて下さい。
「誰かの役に立ちたい」は自然な感情
自分は働くことができないから社会の役に立っていない。障害を持っているとつい自分にこんな烙印を押して、悲しい気持ちになっている人も少なくないと思います。
私も精神障害があり思うように働けず、社会の役に立つことができていないと感じて自分を責めることがありました。
こんな時によく言われるのが「無理に働かなくていいんだよ」という言葉。
でもこれを言われるたびになんとなく社会の一員になれていない感じがして、ネガティブな疎外感にさいなまれていました。
「誰かの役に立ちたい」。これは誰にとっても根底に流れる、すごく自然な感情ではないでしょうか。
私は今回個展を通じて、障害を持っていても人の役に立つことは諦めなくていいということを学んだのでそのお話をしていきます。
趣味の絵で個展を開催することに
私は絵を描くことが好きです。
しかし仕事になればいいなと思ったことはあまりなく、趣味の範囲で楽しめたらいいと思う程度でした。
そんな中ある絵を展覧会に出品したのがきっかけで、年明けのある日、東京のカフェバーで3日間小さな個展を開かせてもらえることになったのです。
自分でお客さんを呼び、自分で絵を飾り付け、自分で来てくれた人をおもてなしする。普段イベントごとに無縁の私にとってかなりのプレッシャーでした。
絵の飾り付けは一人では絶対にできないと思ったので、すぐ友達に助けを求めました。友達は快く了承してくれて、当日すごく助けてくれました。改めて感謝を伝えたいです。
それだけではなく、多くの人がSNSを通じて情報を拡散してくれたり、実際に来展してくれたり3日間の日程はあっという間に最終日を迎えました。
出会って会話する場を提供できた
私も今回は絵を買ってもらうよりも、一緒に墨絵を楽しんでもらうことを重視して個展を開きました。
片隅に書道ができるスペースと、来てくれた人たちでのんびり会話できるテーブルをセットして会話を楽しみました。
すると来てくれた人から「こんな場所を用意してくれてありがとう!すごく楽しい」と言ってもらえたのです。
私は最初意味がわからなかったのですが、そう言ってくれる人が複数いて、本当に個展を開いて良かったなと思いました。
来展してくれたことがきっかけで交流が始まって、今も連絡をとっている友達もいます。
自分ができること、私の場合は個展を開いてみんなで会話ができる場所を作ることが結果的に自分を救うことになるのだと思った瞬間でした。
【まとめ】
障害を持ちながらの社会参加は、すごく難しいときもあります。
でも仕事や義務ではなく、自分ができることで少しでも人が喜ぶことをすると、居場所ができるんだと肌で感じた3日間でした。
飾り付けを手伝ってくれた友達が言ってくれた
「ミドリさんはできることをして、人からエネルギーをもらって生きてください」
という言葉をずっと忘れないようにしようと思います。