発達障害者、上司や先輩から、こんな声かけやアドバイスだと仕事がしやすい

オフィスのデスクにノートパソコンや文房具が並び、数人が作業している。中央には「発達障害者は上司や先輩からこんな声かけやアドバイスだと仕事がしやすい」というテキストが手書き風に書かれている。

こんにちはゆめみがちです。私はADHDと自閉スペクトラム症をもつ31歳です。

今回は仕事の上司や先輩からどのような声かけやアドバイスがあると仕事がしやすいか、についてお話ししていきます。

雑談と仕事のアドバイスを混ぜることはNG

カフェのテーブルで2人が向かい合い、コーヒーカップを手にして話している様子。手元には白いカップが見える。

発達障害者の多くは雑談が苦手だと言われています。ASDとADHDのある私は当たり障りのない会話や目的が見えづらい会話が超苦手。私だけでなく、他の発達障害者から会社では「余計なことを言ったらどうしよう」という不安から無口にならざるを得ないという声も聞いたことがあります。

だから、仕事外の雑談と見せかけて、実は仕事上の話やアドバイスだったり、仕事上の話やアドバイスかと思ったらなんか世間話に変わったりすることはすごくストレスです。

雑談や世間話と仕事上のアドバイスの境目があいまいだと、仕事のアドバイスも雑談かと思って流してしまう可能性もあるので、仕事上の話やアドバイスをするときは、独立させてそのことについてだけ話して欲しいと思います。

時間が経ってから「できてない」はNG。その場で指摘してほしい

白い壁に掛けられたシンプルなデザインの円形の時計。

仕事上でできていないことを、タイムラグがあってから言うことはやめてほしいです。

私は何も言われないとそれはそれで「自分って案外できているのかも」と間違った自信をつけてしまいます。何も言われないのなら問題はないのだろうと思います。

できていないことがある度にいちいち言っていては指導する側も仕事が進まなくなると思いますが、それなら「あらかじめ反省タイムの時間を設けておくからその時できていないことを伝える」ルールを共有するなどして欲しいと思います。

「どうして?」「なんで?」は理由を聞く時だけ使う。反省して欲しい時には使わない

暗い背景に光る電球で縁取られた大きな質問マークの看板。

ミスをしたときに「どうしてこんなミスしたの」「なんでこんなこともできないの」と言われることがあります。「どうして」や「なんで」と言ったけれど、それはいわゆる感嘆詞のようなもので、本当に理由を説明して欲しいわけではない場合もあると思います。

けれど、発達障害がある私は「どうして」や「なんで」に引っ張られてしまい、「どうしてそのミスが起こったか」「なんでそのミスが起こったか」の理由をそのまま答えてしまいます。おそらく、私だけでなく言葉通りに受け止めてしまい会話がズレてしまった経験を持つ発達障害者は多いはずです。

もし、何かミスを起こしたときに「すみません」を求めるのであれば「ここできてないからだめですよ」や「ミスが大きくてびっくりしました」とはっきり言ってもらった方がありがたいです。

できているところは必ず褒める声かけをして欲しい

白い背景に親指を立てた手が映っており、励ましや支持を表しています。

発達障害者は仕事場に限らず、小さい頃からミスが多く叱られることが普通の人よりも多い傾向にあります。ちょっとしたミスの指摘でも「自分はダメなんだ」「もうこの仕事やめよう」と一気に落ち込んでしまうこともあります。

私も発達障害が原因でクビになったことを経験してから、少し軽いミスをするだけで頭がパニックを起こしたり、もうダメだと泣き出したりすることが一気に増えました。

とにかく一回のミスでもうこの仕事向いてない、クビになるんだ、私は何をやってもダメだ、と思ってしまうのです。一回のミスについて注意されているだけでも、全部がダメなように感じてしまいます。

ですから、仕事をする中で出来ていることはちゃんと褒めてフォローしてあげて欲しいです。他の人からできていることを教えてもらえると、できないことがあっても「全部がダメなわけではなく、この部分を改善していけばいいんだ」と思えるので、仕事に前向きに取り組めるようになります。

ふわっとした抽象的な指導はNG、とにかく具体的に伝えてほしい

カラフルな付箋

他にも、私が困ってしまうのは、いいかんじに、適当に、なるべく早く、など抽象的な指示をされたときです。

「いい感じにとはこういう感じですか」「適当にとは全ての項目は満遍なく拾うことですか」「いつまでには必ず欲しいとかありますか」などこちらが質問責めすると「ごちゃごちゃ考えなくていいからとにかくやってみて」で終わらせる人もいますが、そういう人に限って後から「こうじゃない」と言ってくる気がします(笑)。

おそらく、仕事を頼む側は「なるべく早く」と言ったときでも、心の中で「できれば今日中に仕上げてくれると助かるなー」みたいな期待があると思うのです。それを言葉にして欲しい。

くどいかなと思うくらい、具体的に教えて欲しいです。期日は日付で、他のことも数字にできるなら数字で言ってもらえると、「こんなはずじゃなかったのに」とお互いに嫌な思いをすることも減るはずです。

優先事項と禁止事項は必ず両方伝えてほしい

鏡の上に手をかざしている様子。鏡に手の反射が映っています。

優先事項と禁止事項があるのであれば、両方事前に伝えて欲しいです。基本的に「言わなくてもわかるだろう」は読み取れないことが多いので、後から言われると困ります。

私の場合だとこんなことがありました。地方創生のCM撮影で現場アシスタントスタッフのバイトをした時です。

スタッフのみを乗せたロケバスが渋滞にハマって遅れてしまい、女優さんを待たせてしまうということが起こりました。

撮影現場について、ロケバスから降りた直後に私は現場のリーダーに「女優さんを待たせてるからとにかく急げ、他のことは適当でいいから早く撮影場所に行って!」とかなり急かされました。

同時に新品未開封の鏡を渡されました。新品未開封のその鏡は、女優さんに撮影直前に最終確認に使ってもらうためのものです。私はその鏡の袋を開封しながら走り出しました。

するとあんなに「急いで!」と言っていたリーダーに「止まって!」と呼び戻されました。リーダーは「女優さんに買ったばかりのものを出してるところ見られたらどうするの!隠れたところで開封して!失礼でしょ!」と怒りました。

私は「今すぐ撮影場所に行って!と言わんばかりの勢いだったから、急いだのに。なぜ怒られているの?」と、びっくりしました。

私にはその時、常識がなかったのかもしれませんが、例え「女優さんの前で新品未開封のものは開封してから渡す!」という常識が頭の中にあっても、急ぐことが最優先だったので同じようにしていたと思います。

丁寧すぎる指導がインシデントアクシデントを防ぐ

デスクに並んだ複数のノートパソコンと作業中の人々。文房具やスナックも見える、コラボレーションの場。

いかがだったでしょうか。今回はASDとADHD当事者の私が「こんなアドバイスの仕方だと助かる」ということをお伝えしました。

全体的に共通して「丁寧すぎる」仕事の仕方かもしれません。忙しい時はこんな余裕ないよ!と思う人もいるかもしれませんが、納期カツカツの仕事場だとコミュニケーションを取っている時間も惜しくてやりとりが適当になり、結局すれ違いでミスが発生する…なんてこともよくあると思います。

コミュニケーションの手間を減らそうとしたり、説明を省略されたりすると、結果的には効率が悪くなるのでは?と感じています。丁寧なやり取りをしてもらえると、発達障害あるなし関係なく、仕事も円滑に進むと思うのです。

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ABOUT ME
身体性表現障害で8年の無職ひきこもりから、推し活のおかげで社会復帰に成功。しかし会社に就職するもクビになり、直後にADHDとASDスペクトラムが発覚した。現在は自身の発達障害に向き合いながら、推し活の素晴らしさを様々な角度から発信している。