私はトゥレット症候群と発達障害を持ちながら、民間企業の障害者雇用枠にて労働しております。
そして、その傍らビジネス実務法務検定、メンタルヘルスマネジメント検定、ファイナンシャルプランナー、第一種衛生管理者、保育士、精神保険福祉士の資格を取得いたしました。
私がたくさんの資格を取得した理由には障害者雇用という制度のあり方が大きく関係しています。
今回の記事では障害者雇用で現職に就き、これだけ多くの資格を取得するに至った心情の移ろいを記していこうと思います。
どうして障害者雇用で働こうと思ったのか
大学卒業後の私は地元の中小企業にて一般雇用(つまり障害者雇用ではない)の社員として働き始めました。しかし、障害特性ゆえに自動車の運転ができないことや、工場の大きな騒音に恐怖心を抱いてしまうことなどがあって数か月で退職を余儀なくされてしまいました。
その後「やはり、障害特性を配慮してもらえる障害者雇用の方が自分に合っているだろう」と考えて転職活動を行い、現職でもある民間企業の障害者雇用枠で働き始めました。
仕事でなかなか成長を実感できなかった
私は障害者雇用枠で働くようになってから、障害特性に対する多大な配慮やサポート、周囲からの理解をいただけるようになりました。障害への配慮を得られることは、障害者雇用枠で働く上での大きなメリットだと感じています。
今日まで7年以上、現職を続けられていることからも「障害者雇用枠で仕事を探すという判断は間違っていなかったのだ」と思っています。
ただ、いいことばかりではありません。私が今の職場でキャリアアップをすることは非常に難しいです。私と同じようにキャリアアップの難しさに悩みを抱えている障害者社員は多いのではないでしょうか。
私の場合、基本的にはルーティーンの仕事が多いため、毎日同じ仕事の繰り返しです。たまに新しい仕事があったとしても、それほど難易度が高くないことがほとんどです。
安定を重視する方や、繰り返しの業務が得意な方には理想的な環境かもしれませんが、私は成長らしい成長を実感することができないことや、昇進や昇給があまり望めないことに対するフラストレーションが溜まっていきました。
「仕事があるだけ恵まれている」と何度も自分に言い聞かせて来ましたが、やはり人間の欲求は満足を知らないようでした。私は伸びしろの感じられない毎日に、少しずつ嫌気が刺してきてしまったのです。
仕事で成長できないのなら
仕事で成長実感を得ることができないのであれば、仕事以外で成長実感を得るしない!そう考えた私は資格を取ろうと決意しました。
最初は数ある資格の中からどれを選べば良いのかわからなかったので、足がかりとして出身学部(法学部)での学習内容が活かせそうで、なおかつ難易度が高すぎないビジネス実務法務検定を選びました。
学び成長することはこの上ない幸せ
ビジネス実務法務検定の勉強をしていて「これは間違いなく私の求めていた成長だ」と感じました。これまで知らなかったことをたくさん知ること、努力をしてその結果が出ること。これらは、長年私が望んでも得られなかった感覚でした。
無事にビジネス実務法務検定を取得し終えた私は高揚感に包まれました。資格取得を通じて学ぶ喜びを実感した私は、その後も様々な資格を取得しました。
資格を取って良かったこと
資格を取得してよかったことは、成長実感を得られること以外にもありました。
たとえば、安全衛生業務において衛生管理者となることができる第一種衛生管理者を取得した際には、会社の役員がお祝いにと少しお高いランチをご馳走してくれました。そこでその役員と共有の趣味が発覚したこともあり、人間関係の幅が広がりました。
他にも精神障害者の相談援助の業務に携わる精神保健福祉士を取得したことで、職場の他の精神疾患の従業員さんらの相談に乗る仕事を任せていただくこともあり、仕事の幅も広がりました。
最後に
私は7年以上、障害者雇用枠の同じ職場で働くうちに、配慮やサポートをありがたいと感じる一方で、「もっと成長を実感したい」というフラストレーションも抱いていました。キャリアアップの難しさは、障害者雇用の課題の一つでもあると思っています。
しかし、社会や環境への不平不満を抱きながら待つのはもったいないです。私は、資格取得に向けて一歩踏み出して努力をしてみることで、多くの貴重な学びと経験を得ることができました。
今できる部分でできることをとりあえずやってみる!その気持ちはきっと人生を豊かにポジティブにするものなのだと確信しております。