はじめに
昨年の2022年3月に転職をした。
在宅勤務であることに変わりはないが、請負のWebライターから企業勤めのWebライターになった。
有能な人はフリーライターでもガッツリと稼げるそうだが、あいにく有能とは縁遠い星の下に生まれてしまったので、企業ライターとして仕事ができる現状には本当に感謝している。
けれど、転職前は受け身で何もする気が起きなかったし、始めたばかりの頃も「本当に続けられるのだろうか」と、不安だらけだった。
今回は、そんな時期に私の価値観が変わったきっかけの話をしていこうと思う。
本当は就活なんてしたくなかった
私は人間関係が原因で仕事を辞めてしまうことが多い。業務内容よりも、職場の人間関係のストレスの方が遥かに大きく感じるからだ。
いつも他人の顔色や声色を伺いすぎたり、苦手な人に何も言い返せなかったりして我慢し続けてしまう。そして、ストレスがピークに達すると突然出社できなくなる。
相手の機嫌を伺いすぎて疲弊してしまうのは文章のやり取りがメインの在宅勤務でも同じで、前職のフリーライターも2021年の夏頃に辞めてしまった。
そんな状況にとどめを刺すかのように、3年半付き合った彼氏にも振られてしまい、当時メンタルは崩壊寸前。
自分が哀れに思えたのでしばらく無職を謳歌しようと考えていたのだが、両親の顔が日に日に険しくなるので就活をしないという選択肢も難しかった。
当初「就活」はポーズだった
「働きたくない」という本心と両親の「働け」という圧力のはざまで悩んだ結果、折衷案として就職活動は親に納得してもらうために行っていた。正直、当初は「就活やっているよ」というポーズだったかもしれない。
なんとなく気になる企業に応募をする→相手企業に本気じゃないことを見抜かれる→お祈りメールを受け取る→両親には「就活を頑張っているけど落ちてしまった」と報告する
我ながらロクでもない奴だと思う。
ところが、何を間違えたのか一社だけ書類選考通過と面接の案内メールを送ってくれたところがあった。まさか書類選考が通ると思わなかった…。
そう驚いた企業が、後の就職先である。
なんやかんやで採用してもらえた上に、職種は私の好きな書く仕事。しかも、障害者雇用なのでこちらの障害特性にも理解を示してくれる。
いざ採用が決まると働きたくないという感情よりも、「こんな奴なのに」という申し訳なさや今後の不安の方が大きくなっていった。
気を紛らわすために推しのスピッツの曲を普段よりもよく聴いていた気がする。そのなかでも「運命の人」の歌詞が印象に残っているので、一部をご紹介する。
“走る 遥か この星の果てまで
引用元:スピッツ 『運命の人』
悪あがきでも 呼吸しながら 君を乗せていく
アイニージュー あえて ただのユートピアも
汚れた靴で 通り過ぎるのさ
自力で見つけよう 神様”
「ユートピアを追い求めるだけではなくて、(幸せになるために)神様を自力で見つける努力もしよう」、何度か聴いているうちにそう言われている気がしてきた。
すると、「自分の幸せは自分でしか掴めない」という風にも解釈できるし、「自分次第で道は切り開ける」という発想にもつながる。
いくら条件の良いところで働けても、自分自身が何事にも受け身だったらきっと続かない。それに、採用されたからには仕事に対して責任を持って応えたい。
勝手な解釈だが、次第に前向きな感情へと変わっていった。
幸せになるために自分で神様を探しに行こう!
目的や目標があっても実際に動くことは今まで少なかった。けれど、今回の件で少しだけ価値観が変わった気もする。
当初は全くやる気がなかったけど、とりあえず行動してみたら幸運を与えてくれる神様に出会えたのかなぁ……。
そんなことを、2022年の暮れにぼんやりと考えていた。
親へのポーズで始めた就活だったが、結果的には行動して良かった。行動しているうちに新しい道が拓けてくることもある。何もしなければ運さえ引き寄せられなかっただろう。
私は腰が重いタイプなのでえらそうなことは言えないが、目標や目的のために行動したいけど迷っている人がいたら、気軽に一歩を踏み出してみてほしい。他にも叶えたいことがあるので、今年もいろんなことに挑戦していくつもりだ。
2023年の終わりに、「いい年だった」と締めくくりたい。