大学卒業後、私は地元の中小企業にて一般雇用の社員として働き始めましたが、数ヵ月で退職を余儀なくされました。その後、就労移行支援事業所を経由して、現在は特例子会社で就労しております。今回は、就労移行支援事業所へ通うか悩んでいる方や、「特例子会社ってどんな会社?」と知りたい方などに向けて、私の経験談を含めてお伝えしようと思います。
はじめに
大学卒業後、私は地元の中小企業にて一般雇用の社員として働き始めました。しかし、私は発達障害の障害特性ゆえに自動車の運転ができなかったり、工場の大きな騒音に恐怖心を抱いてしまったりすることなどがあって数か月で退職を余儀なくされてしまいました。
その後、「やはり、障害特性を配慮してもらえる障害者雇用の方が自分に合っているだろう」と考えて、就労移行支援事業所を経由して、現在は特例子会社で就労しております。
今回は、就労移行支援事業所へ通うか悩んでいる方や、「特例子会社ってどんな会社?」と知りたい方などに向けて、私の経験談を含めてお伝えしようと思います。
就労移行支援事業所で学んだこと
記事本文の前に用語について簡単な説明をさせていただきたいです。まず「就労移行支援事業所」とは障害のある人が主に一般企業の障害者雇用にて就労することを目指し、職業訓練や求職活動の支援を受ける施設です。
私の通っていた就労移行支援事業所では主に「ビジネスマナー」「事務スキル」「自己理解」の3つを学んでいました。
「ビジネスマナー」に関しては、毎日スーツとネクタイ、革靴で通所することに慣れることから始まりました。他にも、名刺交換の方法、面接の練習など幅広く実践的な内容を学びます。社会人としてのマナーを身に着けていきます。
「事務スキル」に関しては、基本的にはPCを用いてオフィスソフト(主にワード、エクセル、パワーポイント)の使用方法を学びました。事務の仕事をする際に必要となってくる基礎的なパソコンのスキルを教えてもらえます。
「自己理解」は、主に自分の障害特性について理解し、就職活動や就職後の職場適応に役立てるために行います。障害者雇用の採用面接において「障害ゆえに配慮して欲しいことがありますか?」という質問は頻出なので、こういった時に自己理解で学んだことが役立ちます。
転職活動の方法や、会社で仕事をする上での準備などを教えてくれて、一般企業で働くことをサポートしてくれる場所です。
特例子会社での就労を選んだ理由
私が現在の会社で働くきっかけになったのは、就労移行支援事業所のカリキュラムの一環としての企業実習でした。実習では、企業に足を運び、実際の仕事を体験させてもらいます。私はその実習で現在の就労先でもある特例子会社に行きました。
特例子会社とは、主に大企業が障害者雇用を促進するために設立する子会社で、その全常用労働者数の20%以上は障害者で構成されていることなどの条件があります。
私は実習の担当者に気に入られて、入社のオファーをいただきました。
実習中、私の想像よりハイスピードで正確な業務が要求されるケースが多々あり、他の先輩スタッフも皆優秀でした。ゆえにオファーを受けるかどうか悩みました。
しかし、担当者の方の人柄の良さや熱いオファーもあって入社を決意しました。実習は、企業でどのような仕事ができるのかを体験できるため、貴重な機会でした。
特例子会社での私の仕事
現在、私は大手企業のグループ企業である社員100名ほどの特例子会社にて就労しております。そのうち障害を持ったスタッフは60名ほどです。
障害を持つスタッフの仕事内容はさまざまです。中にはグループ企業の植木の手入れをしているスタッフ、メール室にて郵便物の仕分けを担当しているスタッフなどもおります。私は主にPCを用いた事務作業を担当しています。
それぞれの障害特性に応じて業務が振り分けられることになっており、そのきめ細やかな支援は障害者雇用に特化した特例子会社特有の強みと言えると思います。
まとめ
ここまで自分の体験をベースに「就労移行支援事業所」と「特例子会社」についての説明をさせてもらいました。
私は就労移行支援事業所のカリキュラムの一環の企業実習がきっかけで、現在の仕事に出会うことができました。この会社に入って7年以上が経ちましたが、障害特性に応じた支援ができるのは、障害者雇用に特化した特例子会社の強みだと感じています。
また、機会があればそれぞれについてもっと詳しい主観的な体験談なども書いてみたいなと思っています。この記事が読んだ方にとって参考になると嬉しいです。