発達障害を持っていることをカミングアウトしたら、いつのまにか職場で「あの人、障害者らしい…」と噂が広まっていた…。こうしたケースは実は非常に多く見受けられます。アウティングが起きると、差別やハラスメントが起きやすくなってしまい働き続けることが困難になるなどの深刻な問題を引き起こしかねません。では、このようなことを減らすためにはどうしたいいでしょうか?今回はアウティングについて解説していきます。
アウティング被害を防ぐためにできること
みなさんはアウティングという言葉をご存知ですか?
アウティングとは、他人の秘密を勝手に他人に話すことを指します。
もともとLGBTQ+やセクシュアリティについてよく使われる言葉でしたが、近年はその他にも障害や病気などについても使われるようになってきました。
まだまだ障害に対する偏見や差別の残る社会では、深刻な問題を引き起こしかねない大きな問題です。
そして、発達障害という目に見えない障害を持った人にも同じことが言えます。
私自身、高校生の頃に学校の先生にアウティングされたことがあります。
当時、一番信用していた先生でした。
うつ状態で授業が受けられない私に「誰にも話さないから、気持ちを話してほしい」と言われ、自分の精神状態や病気のことを話したのです。
しかし翌日、学校中に「精神がおかしいやつがいる」という誤った情報が流れ、差別や偏見の言葉に、深く傷つきました。
すれ違う生徒が私の顔をみて「怖い」とつぶやいたことを、私は未だに忘れられません。
アウティングした先生にどうして暴露したのか聞くと「そういう生徒がいることは学校で共有しなければならないと思ったから」と言われました。
信用していた先生だったから、誰にも言わないと約束したからこそ当時の私は生きることを諦めたくなるほど精神的に追い詰められてしまいました。
場合によっては、命に関わるケースもあるアウティング。
では、どうやって防いでいけばいいのでしょうか?
まず、カミングアウトをされた人は「相手は勇気を振り絞って、信用できるあなたを選んで打ち明けてくれた」ということ忘れないでほしいです。
適当にあなたを選んでその場で話しているわけではありません。
ですから勝手に第三者に話すことは絶対にやめましょう。
もしかしたら「でも、自分に告白してくれたってことは人に知らせたいってことでしょ?」と勘違いする人もいるかもしれません。
実際に本人がそう思っていたとしても、誰にどんなタイミングで伝えるかは、本人が決めることです。
よかれと思ってしたことも、場合によっては本人を傷つけてしまう可能性があることを知っておくことが大切です。
もし第三者に伝える必要がある場合は、必ず本人に許可をとりましょう。
このとき「どこまで伝えるか、どうしても伝えたくない部分はあるか」をしっかり話し合っておきましょう。
アウティングによる差別やハラスメントで、精神病を患ってしまう人はたくさんいます。
これ以上アウティングの被害者を増やさないためにも、この記事があなたのお役に立てれば嬉しいです。