偏食だし、過集中で食べないこともある。発達障害者の癖のある食生活

発達障害と食に関するテーマのイラスト。女性が食事をしている様子。

こんにちは、ゆめみがちです。私はADHDと自閉症スペクトラムをもつ30歳です。今回は、発達障害ならではかも?と思う「食」に関する困りごとについて自分の体験も踏まえて書いていきます。

はじめに

こんにちは、ゆめみがちです。私はADHDと自閉症スペクトラムをもつ30歳です。

現在はwebライター業や動画編集業の傍ら、地元の魅力発信をしたり、シナリオスクールに通ったり、コンクールに応募したりしています。

今回は、発達障害ならではかも?と思う「食」に関する困りごとについて自分の体験も踏まえて書いていきます。

ひどい偏食がある

「ちゃんと食べよう」と言って食事を楽しんでいる女性のイラスト。

私には昔からひどい偏食があります。発達障害のある人の偏食は珍しくなく、味覚過敏が原因ではないかと言われています。

私の場合、苦手な食べ物は少しも食べられないので、小学生の時は給食を完食できませんでした。昼休みだけでなく、5時間目までかかっても完食することはできず、先生からしょっちゅう怒られていました。

苦手な食べ物は「好きな味じゃない、気持ち悪くなっちゃう」というレベルではありません。食べたら、吐きます。それも苦手な食べ物だけを思わず「ベッ!」と吐き出してしまうだけではなく、反射的に嘔吐してしまうのです。

実は、大人になってもその嘔吐反射は収まっていません。会食で苦手なものが出たら、味覚を感じないように噛まずに飲み込むようにしています。

自閉症スペクトラム症をもつ弁護士が主人公の韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でも、偏食を象徴するシーンがあります。

主人公ウ・ヨンウが彼氏の姉夫妻に食事会に招待され、嫌いな食べものを無理やり飲み込むように食べるシーンがあります。

「嫌いなものだったら無理して食べなくていいよ」と言われるほど、主人公ウ・ヨンウはあからさまに苦しそうに食べています。震えてるし、息吸えてないし、飲み込むときに胸を押さえているし。主人公は「大丈夫!すっごく美味しいです!」と笑顔を作り誤魔化そうとしますが、顔に「不味い。吐きそう」と書いている!むしろ無理に食べている様子が失礼なレベルなのです。

(『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第13話、58分辺りのシーンです。Netflixなどで配信されています。)

私もそうなのですが、本当に偏食がひどく味覚過敏を持っていると、苦手なものを食べるときは人前でもそれくらい苦しそうにしてしまうんです。

まだ小さな子供なら「頑張って食べて偉いね」になるんでしょうが、私だと「大人がそこまで好き嫌いをするなんて本当に見苦しいったらありゃしない」と、不快に感じる方もいるだろうな、と思います。

いっそのこと、時には嘘も方便で「この食材は食べると口の中が痒くなる軽いアレルギーがあるので、ご遠慮させてください」くらい、ごまかしたほうが良いかなと思っています。

過集中が続くと、ご飯食べるのを忘れる

発達障害者特有の興味のあることに集中しすぎてしまう「過集中」。私は一度、過集中状態になってしまうと、食事にも影響を及ぼします。

発達障害の「過集中」と「シャットダウン」に関するイラスト
発達障害当事者が感じる「過集中」と「シャットダウン」今年の春に発達障害ADHDと自閉症スペクトラムの診断を受け、半年以上が経ちます。私は昔から興味があることにはのめり込み、興味のないことはやる気が出ません。今回は、私の特性でもある「過集中」と「シャットダウン」の困りごとと対策についてです。...

ここ1週間、脚本のコンクールに応募するために、ずっと「過集中状態」が続いていました。そうすると「ご飯を食べる」という選択肢が抜け落ちます。

なぜ?自分でも謎です。

お腹は空いている状態なんですが「なんだか気持ち悪い、しんどい、なんでだろう」と不思議がるだけ。

過集中状態だと「食べてないからしんどい」という答えに辿り着かないんです。脳のキャパか、メモリの状態か。普段の人間生活に置けるルーティーンワークさえも抜け落ちてしまうほど、過集中に入っているのかなあと思います。

ご飯アラートを家族にしてもらっている

脚本に限らずどんな作業でもある程度、集中しなければ終わりません。私は集中が続かず注意力が散漫になってしまうADHDという障害を持っていますが、脚本制作(シナリオを考えること)にはそれだけ集中、没頭できる。この事実は手放したくないと思っています。

過集中はなるべく中断したくないけれど、どこかでご飯は食べなければいけない。この対策として、今は同居している家族に「食べてないじゃん」「食べろ」と注意してもらって、栄養を補給している日々です。

情けない。だけど、家族の声かけなしでは何日もろくに食べないことになってしまいます。

食べること自体に罪悪感を感じている

「食べていいのか?」と疑問を抱きながら食事を前にしている女性のイラスト。

他にも、食ベるという行為自体に、罪悪感や背徳感を感じる時があります。これは発達障害が直接的な理由ではないのですが、間接的に関わっています。

「太るから」とかではなく、「食べること=作業や勉強から逃げている」と感じてしまうのです。

私は中学高校生のころ、勉強という作業ができませんでした。勉強しても良い点が取れないのではなく、繰り返し書けば覚えることができる超単純な暗記ものでも、ノートは真っ白。0点を取ることもありました。

「やらなきゃ」と思い、机の上にノートを広げてから何時間もぼーっとしてしまう。頭では「やらなきゃ」と思っているのに、手が動かなくて、できなかったんです。

今から考えると、学校では”変な子”扱いされて、コミュニケーションが取れず病んでいてうつ状態だったのかもしれませんし、興味のないことはできない発達障害の症状が出ていた可能性もあります。できないことを「サボり」と言われてますます勉強する気が失せる悪循環が起きていたのかな、そりゃ勉強する気も薄れるよなぁとわかります。

当時は「どうして、勉強にこんなにも手が付かないのだろう」とわからないままでした。「とりあえず、机に向かってノートを広げればやる気が出るはず」と思って行動に移しても、ずっと「できない」と悶々としていました。

だけど、お腹は空きます。そしてご飯を食べます。

ご飯の時間だけは座っていても、勉強をしなくても良い時間でした。

自分にとってご飯の時は「勉強しなくちゃ」と思わなくてもいい瞬間。だから、その食事を摂る時間は本当に救いでした。

しかし、いつしか「ご飯を食べる時間は、勉強から逃げている時間」だと思うようになってしまいました。「勉強もしていないのにご飯を食べるなんて、本当に私って最低すぎる」なんて考えるようになりました。

ひ、ひえ〜!自分を虐めすぎでは。自分でも当時のことを書いていてゾッとしました。流石に今はそこまでは思いませんが、そのころの感覚は残っていて思い出すことがあるんです。(ダメじゃん)

「私って大した人間じゃないのにこんな美味しいもの食べていいのかな、ちゃんと栄養とっていいのかな」と自己嫌悪に陥る感じです。だから、食事の時間にうっすらと罪悪感があります。

その割にはポテチとか、ボリボリ間食しますし、ええ!?考えと行動に矛盾があって自己理解に苦しみますが、人間ってそういうものかもしれません。

シナリオ上の人間には、シナリオを成立させるために一貫した信念、行動が必要になりますが、生きている人間はそうではありません。

そして、今更「発達障害があったことが当時はわからず苦労した」なんてクヨクヨ考えても何も解決しません。とにかく、最低限のご飯はちゃんと食べなきゃダメだと思っています。

とにかく、ちゃんと食べる自分偉いって思うようにします

「ちゃんと食べよう」と言って食事を楽しんでいる女性のイラスト。

自分の食生活や、食に関する思いをこうやって記事にしていると、思った以上にまあまあやばくて、自分でも引いています。これは、気をつけなきゃいけません。

これからも偏食のままだろうと思いますし、過集中でご飯を食べ損ねることはあるだろうな、と思います。

ただ、自分が食べられるものの中で、栄養バランスのいい食事をすればいいと思うし、過集中に関しては周りの力も借りながら、できるだけ体を壊さないように栄養補給をしようと思いました。

どんなに堕落した一日を過ごしてもご飯はしっかり食べること!

ちゃんとご飯を食べたときは、「私、今日はご飯食べた。偉いな!」と思うことにします。

アピールしたい職歴・スキルだけで応募できる!
ABOUT ME
身体性表現障害で8年の無職ひきこもりから、推し活のおかげで社会復帰に成功。しかし会社に就職するもクビになり、直後にADHDとASDスペクトラムが発覚した。現在は自身の発達障害に向き合いながら、推し活の素晴らしさを様々な角度から発信している。